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2009年7月26日 (日)

不思議体験の記憶

私はたった一度だけ、不思議体験をしたことがある。
思い込みかもしれないのだが、あのとき見たのは、今でも、異次元空間の光景だったように思えてならない。20万アクセスの記念として(どこが?)、今日はそれを書きとめておきたい。

たしか小学校2,3年の頃だった。
私は習字の塾に通っており、その日も、日曜日の朝、塾までの2Kmの道のりを自転車で出かけたのだった。習字の塾といっても、日曜日の朝2時間ほど、先生が書いたお手本を半紙の上から筆でなぞるだけで、親には不評だったが、まだ新しい自転車に乗れる楽しさで、私は嬉々として出かけていた。

しかしその日は、早起きしていつもより早く家を出たせいか、塾手前の神社にさしかかった時点で、予定よりもかなり早く着きすぎてしまうことが分かった。

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季節は夏だったと思う。朝もやが濃く、周りがよく見えなかった。

そこで私は、いつもの道でなく、遠回りする裏道を通って行くことにした。

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とはいえ小学生である。暇をつぶすとしても、せいぜいそのへんを自転車で走るぐらいのものだ。
ある程度、裏道の見当はついていた。何度か友人のあとをついて通ったことがあるからだ。そうして時間をつぶしてから塾へ行こうと思ったのである。

しかしこのあと、私は奇妙な光景を目にすることになる。                                  

                                                              

細い道を通って、予定した表通りに出た瞬間、言いようのない違和感を覚えたのである。
街並みの何かが違うのだ。いや、良く見ると何もかも違っていた。確かに道路のレイアウトや道幅は、いつもの見慣れた場所である。しかし、T字路の信号の角にあるはずの呉服屋が、反対側に移っていた。そして呉服屋の向かいには床屋があるのだが、呉服屋が隣に来たせいかどうか、そこは床屋ではなくて違う店になっていた。いつもの塀があるところは、生垣になっていた。そういうふうに街全体の景色、店の配置・看板・名前、道路標識、生垣、塀、電柱が、昨日まで見ていた街と、全部が変わってしまっていた。

Img_1346

Img_1394

昨日まで高い木があって、それがなくなってしまったのなら分かる。しかしそこに見えたのは、道路だけが同じの、違う街並みだった。
でも小さな街で、裏道とはいえ簡単なルートだから、間違うはずはない。

第一この街には、メインストリートは1本しかないのだ。

(もっと先へ行けば、知っている場所に出るはず)

Img_1410

私はそう思って、細長い街の西側へ走った。

Img_1392

しかしそうすると、景色はますます見慣れないものになった。Uターンして反対側に行っても、同じことだった。横道に入っても、見たことがない景色が広がっていた。

異次元空間? そこに突然、違う場所が出現したような感じだった。
それに、人に道を尋ねようにも、誰もいなかった。日曜日の朝だから、それはある程度仕方ないことなのだが、本当に誰もいなかった。
心臓がドキドキしていた。このままここに迷い込んで、家に帰れないような気がした。

日曜日の朝、動くものが何もない、誰もいない街の真ん中で、子供が一人自転車に乗って、あたりを見回してうろたえていた。

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傍から見たら、どんなふうに見えただろうか。寝ぼけた子供がうろうろしていただけだったろうか。いやそれとも、どこかから、誰かがそっとその様子を見ていた?

                                                               

そうしていると、「○○車庫行き」と書いた、見慣れたバスが、朝もやの中から忽然と姿を現した。私は直感的に、このバスのあとをついていけば、いつもの世界に戻れると思った。すぐにあとをつけて、1km以上も必死にペダルをこぎ、バスを見失いかけながら、やっと車庫が見えるところまで来て、後ろを振り返った。そこには見慣れた景色があって、私は胸を撫で下ろした。
しかし、ぼんやりしてはいられない。塾へ行くには、今来た道をまだ戻らねばならない。左右の景色を確かめるように走り、開始時間ぎりぎりで間に合った。もやは、いつの間にか消えていた。

塾のあいだじゅうずっと、私はさきほどのことを考えていた。そして終わってすぐ、さっきの場所を確かめに行った。
しかし、またしても不思議だった。車庫から走ってみても、塾へ来る以外の道がないのだ。分岐点もない。

Img_138

とすれば、あのバスはどこから来たのか?
それに、通ったはずの裏道も見つからなかった。朝もやがかかっていたせいだろうか、いやそれにしても、どこをどう通ったのか、まるで分からなかった。

その後も何度か、バスの車庫から走ったり、あるいは塾の近くをうろついてみたりした。しかしどうやっても、あの朝の、あの景色にはたどり着けなかった・・・。何度試してみても。                                                                   

                                                                

今でも、あの体験は何だったのだろうかと思い出すことがある。単に、寝ぼけていただけなのかもしれない。でも早朝2km自転車を走らせてなお、寝ぼけているだろうか。

私には、細長い繁華街が1本あるだけの小さな街に数ミリずれて、もう一つの街が重なるように存在していたとしか思えないのである。普段それは目に見えないのだが、何かのはずみで足を踏み入れてしまうのか。

Img_1385

今でも時々思い出す、不思議体験である。

(これは一部にフィクションを含みますが、おおむね事実です)

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

いちごさん こんばんわ

まずは20万アクセスおめでとうございます!
素晴らしい記録ですね。

今回の不思議体験は読んでいてその時の雰囲気が伝わってくるようです。
随分昔の子供ドラマで、「けんちゃん」シリーズがありましたが、この話の中でいちごさんの不思議体験と同じような内容のストーリーがあったんです。
私はその時の異様な雰囲気が忘れられずにいました。
それがいちごさんの記事でまた甦ってきました。
「千と千尋の神隠し」の世界にも似ているのかもしれませんね。
貴重な体験だと思います。

投稿: GAZZY | 2009年7月25日 (土) 23時59分

きっとおちがあるのだろうなんて思いながら読んでたら違いましたね。
すごい体験!
ちょっと恐ろしいですよね。
人がいないなんてよけいに怖い。
ウルトラセブンにもありましたね、こんな話。
夜に地下と地上の町が入れ替わってしまう話。
はたまたパラレルワールドか?
怖いもの見たさ。
行きたくないけど見てみたい気もします。

投稿: いちぞー | 2009年7月26日 (日) 00時10分

20万アクセスおめでとうございます!
遥か彼方の数字に感じますよ~
それにしても、ゾゾっとする体験ですね。。。
写真も相乗効果になっていて…
私は鈍感なので、残念ながら(?)そのような体験は
ありがたいことに一切ありません。(笑)

投稿: haru | 2009年7月26日 (日) 00時17分

私もいちぞーさんと同じく、オチがあるのか、
はたまた・・・と、思ってカレンダーを見てしまいました。
当然7月でした(^_^;)
失礼いたしました。
もしかして、いちごさんちの猫ちゃんは、
ドラミちゃんなんじゃぁないですか?

投稿: エボる | 2009年7月26日 (日) 11時39分

GAZZYさん、ありがとうございます。
が、やがてGAZZYさんに抜かれるのは間違いありません。

>「けんちゃん」シリーズ
うわ! 超なつかしいです。よく見てました。でも、その話は知りませんでした。
でもこの体験、最初に見たのがただの勘違いなら、何もなかったことになるんですよね(笑)。

投稿: いちご | 2009年7月26日 (日) 21時27分

いちぞーさん、おばんです。

すごい体験!
はい、その時は怖かったですが、最初に見たのがただの勘違いなら、何もなかったわけです。

>ウルトラセブンにもありましたね、こんな話。
それも知りませんでした。
パラレルワールドっていうのも、真面目な研究対象であるようですね。いちぞーさんのコメントで調べてみました。
もう経験したくはありません。

投稿: いちご | 2009年7月26日 (日) 21時32分

haruさん、ありがとうございます。

>ゾゾっとする体験ですね。。。
怖かったです。が、ただの勘違いの可能性もあります(笑)。
私も鈍感です(笑)。

写真は、昼間撮ったものを貼り付けたのですが、一応、この街で撮ったものです。

投稿: いちご | 2009年7月26日 (日) 21時34分

エボるさん、おばんです。

>カレンダー
エイプリルなんとかですか、その日にもっと脚色して書いてもよかったかもしれません。

>ドラミちゃんなんじゃぁないですか
そうならいいんですが、うちの猫は♂なんです(笑)。でも可愛いです。

投稿: いちご | 2009年7月26日 (日) 21時36分

こんばんは。
とても不思議な体験ですね。
子供の脳とはきわめて繊細で(成長期だと特に)脳のどこかが異常に興奮したりするらしいですよ。
インフルエンザなどで高熱が続いたりすると起こったり。
私は今でも不思議な行動とったりするんです。
目撃者は嫁で
・夜中に寝室のベットの横でシコを踏んでいた
・夜中に突然壁をガリガリ擦っていた
・・・怖い!

投稿: shingo | 2009年7月26日 (日) 21時53分

shingoさん、おばんです。
はい、不思議な体験です。

>子供の脳とはきわめて繊細で(成長期だと特に)脳のどこかが異常に興奮したりする
へぇ、さすがshingoさん、詳しいですね。

しかし、夜中にシコを踏んだり、壁をガリガリ擦るのは、もっと怖いです。
もしかして子供? いやそんなはずは・・・。
飲みすぎではないかと思いますが(真相はいかに・・・)。

投稿: いちご | 2009年7月26日 (日) 22時09分

こんばんは♪
まずは20万アクセスおめでとうございます!これからも色々なお話聞かせてくださいね♪

ちなみに今回のお話、写真と話の繋ぎ方がお上手ですね、短編小説のようで何度も読んでしまいました…
子供の頃って夢だったのか現実だったのかわからない出来事って私もあります、ちなみに私もその出来事は夏でした

夏は何かを変える不思議な力があるのかも!?(怖

投稿: うさ | 2009年7月26日 (日) 23時01分

うささん、ありがとうございます。

写真は、昼間その街に行って適当に撮り、子供の自転車を撮り、写真見ながら本文を考えたのです(笑)。なので、写真と合っているのだと思います。

>ちなみに私もその出来事は夏でした
え? うささんにもあるんですか、どんな話なんでしょ。今度、是非!

投稿: いちご | 2009年7月26日 (日) 23時50分

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