私のバイク遍歴（51) 大型バイクという道楽

SBを契約し、Webで知識を頭に詰め込んでも、納車前にすべきことは、まだあった。

それは、バイク用品をそろえることである。それこそ、ほとんど全ての用品が必要だった。昔のそれらはいつのまにかなくなっているか、あっても、あまりに古すぎて使い物にならないのだ。

そこで、今後必要となるものを列記してみると・・・

【身に着けるもの】
　ヘルメット
　ミラーシールド（購入時についているのは透明なので）
　ウェア（冬用、夏用、春秋用）
　手袋（　　　　〃　　　　）
　ライディングパンツ（ズボンとも言う）、革パン
　ブーツ
　雨具　　→　これはゴルフ用で代用した

【メンテ用品】
　チェーンルブ
　洗車ブラシ
　人力の空気入れ
　簡単な工具
　メンテナンススタンド
　ケミカル用品

【その他】
　任意保険

ざっと挙げただけでも、これだけある。全て必要不可欠であるが、驚くことに、バイクに乗らない人には不要なものばかりである。
そうして、これらを探し求めて週末のたびにあちこち出かけて行った。最初は楽しい時間だったが、あまりの出費に途中でめまいがしてきた。諭吉さんに羽根が生えたように、どんどん消えていった。

用品は、安いものは安いなりである。高いものはよくできているが、中には

（これでこの値段？）

というものもあった。

それは例えば「スロットル○シスト」で、どう見ても200ぐらいで買えそうなのだが、意外な値段がついていた。いやいや、あるいは特許があるのかもしれないので、迂闊なことは書けない（爆）。

それから「カウルスクリーン・ヘルメットシールド専用液体ワックス」
開けてみれば何のことはない、ホームセンターでその3倍入って値段は半額ぐらいの、ただの液体ワックスであった。買値1,000。

さらには乗り続けていけば、オイル交換、車検、前後タイヤ交換、バッテリー交換・・・と出費は限りない。

近所に、一郎さんという60才ぐらいのオヤジがいる。彼は自宅に国産高級車、4輪バギー、トランスポーターを持ち、週末のたびにあちこちギャンブルに出かけていくという遊びの達人＆道楽者である。
バイク談義をしていたら、彼は言った。
「遊びの道具とは高いものだ。それがないと遊べないとなると、人は、高くても買うのだよ。しかも高ければ高いほど、所有欲が満たされる」

ことほどさように、大型バイクを所有するには、出費が嵩む。今では、中高年の贅沢品のうちの一つという認識もあるらしい。

「こいつは金がかかりそうだ・・・・・」

大型バイクは、確かにがかかる。これは事実である。また同時に、道楽でもある。

がそれは、１人の人間を目的地まで運ぶために、1,000ccものエンジンを回すこと＝無駄だということではなく、目的地までの移動プロセスにおいて、これほど楽しくてダイナミックな乗り物は他にない、ということである。右手一本で巨大なパワーを自在に操り、排気音の咆哮を聞きながら、自然の中を疾走する。

ここでは、目的地に着くまでの移動そのものが、愉悦に満ちている。一緒に走る仲間・友がいれば、これまたよろし。

どんなことにも言えることだが、この世界は、実際にそうして走った者にしか分からない。

続く・・・