小説「トロッコ」
これもまた、文豪芥川の作品である。小学生向けの作品としても知られている。
新潮文庫の解説から引用するが、
「文章は簡潔で、要領を得ているが、特に見事なのは、思いがけず望みを達してのちの、良平の心理の変転の捕捉であろう・・・ことに村に入ってからの描写は優れており、凡手のよくなし得ぬ名品となっている」
心理の変転というのは、土工たちから
「われはもう帰んな。おれたちは今日は向う泊りだから」
と言われた言葉が、まさに、少年良平に青天の霹靂のごとく降りかかってくることである。
少年良平は、このあとたった一人で、それまで経験したことのない遠い距離を帰らなければならなかった。
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