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2011年7月29日 (金)

私のバイク遍歴(58) 中型時代

 まだ書くことがあって、連載が伸びている。今回は、2年乗った中型の時代を書いておこう。
 今は普通二輪というが、限定解除試験があった頃は、400cc未満を中型、免許は中型限定免許、略して中免と呼んでいた。

 その頃の一番古い記憶では・・・

 当時の400ccは、4メーカーとも2気筒ばかりだった。HONDAではこのHAWKⅡ。CB400fourという4気筒モデルは、既に生産中止となっていた。
 YAMAHAではGX400という角ばったタンクの4ストモデルがあった。あまり人気がなく、後にYAHAMAは2ストマシンRZ350を投入する。
 SUZUKIは2ストから4ストメーカーに生まれ変わる真っ只中で、GT380に替わるモデルとして、DOHC2気筒のGS400を販売していた。
 KAWASAKIではZ400T(知る人はあまりいないだろう)という、Z750T(これもマイナー)を小さくしたようなモデルがあった。それから末期のKH400(3気筒)。この名を聞いて心躍る方も多いだろう。

HAWKⅡとY氏のXL250Sで行った半キャンプ 猪苗代湖畔の古い写真
Img011

 当時のバイク事情で特徴的なのは、明らかなヒエラルキーが存在していたということである。そのピラミッド頂点に位置するのは、Z1、Z1-R、XS1100、CBX、GSX1100などの、数は圧倒的に少ないが、存在感は抜群の逆輸入車たち。DUCATI、BMWなどもここに入るだろう。
 次にZ2、FX、CB、CB-F、GX、GS、GSXなどのナナハン。続いて、ごく少数の650、550、500。
 ここまでのバイクを全部集めても、まだまだ少数派。中型小僧たちにとってみれば、夢のまた夢。決して現実には手の届かない、cloudの上の存在だった。
 そして中腹から裾野に広がるのは、そんな400から250などの中型車たち。ここでは、排気量がデカイいほど偉い、同じ排気量なら気筒数が多いほど偉い、気筒数が同じなら、カムシャフトでもバルブでもホーンでも、とにかく多いのが偉かった。少なくとも私はそう感じていた。

 したがって、1979年にKAWASAKIからZ400FXが発売されると、小僧たちは狂喜happy02した。何しろ、クラス初の4気筒、しかもDOHC。加えて大柄な車体。売れないわけがない。
 翌1980年、YAMAHAからXJ400発売。YAMAHAらしいスタイリッシュなモデルで、フロントダブルディスク。今のXJ1300のスタイル原点はここにあると思う。「竹やり」と呼ばれた4本マフラーもあった。
 同年、SUZUKIからGSX400F発売。DOHC4気筒、16バルブ、ダブルディスク。もはや、やり尽くした感がある。2気筒のGSX400Eも健闘したが、市場の要請には敵わなかった。

 そして1981年、HONDAからDOHC16バルブのCBX400発売。メーターはCB750F似、エキパイはX字にクロスしていた。フロントはインボードディスクだった。
 こうして4メーカーからマルチ400が出揃った。小僧たちの熱狂heart04は続く。2気筒よりは4気筒がいい。OHCよりDOHCがいい。2バルブより4バルブがいい。フロントのディスクは1枚より2枚がいい。なるべく大柄な車体がいい。4本マフラーだって欲しい・・・。
 これらのバイクたちは、そんな夢や希望を、新型という形でことごとく実現して見せた。

 でも、それらは全て、別な言い方をすれば、ナナハンに乗りたくても乗れないコンプレックス、ジレンマの産物だった。そりゃバイク乗りなら、頂点にあるナナハンに乗りたい。でも乗れない。大型免許は、壁のように立ちはだかっている。だったら、装備だけでも負けないものがほしい、と。

当時の写真 後ろからCB750FA、VF400F、CB750FZ、スーパーホークⅢ(CB400)
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 さらに、中型のマルチ化は、これでは終わらなかった。ついには250ccまで4気筒マシンが登場した。GS250FW、FZ250である。
 CB750F時代、一度FZ250に乗ったことがあるが、回転ばかり上がってちっとも前に進まなかった記憶がある。マルチが欲しい方にはいいだろうが、バイクとしてはsign02な乗り物であった。
 それでも新型・新機構バイクのラッシュは止まらない。中免では乗れないが、1981年にはCX500ターボが、1984年にはRZV500Rというとんでもないマシンが登場した。6気筒のCBXZ1300もその範疇に入る。他メーカーから、ターボや2スト4気筒マシンは続いた。その他にもありすぎて、書ききれない。

もう、こんな時代は来ないのだろうなと思うと、ちょっとさびしい。これらのバイクは、バブリーな時代の谷間に咲いた徒花budだった?

                                                                                                        

 さて自分のことであるが、限定解除試験に通うかたわら、周りでも400マルチが増えてきた。我がHAWKⅡは、コケてタンクは凹み、フロントフォークはよじれ、乗る前に、前に立って股でタイヤをはさみ矯正する始末。走っているとよじれが戻り、右のハンドルが遠くなってくる(笑)。すっかり時代遅れのポンコツdashだ。
 でも、気にしなかった。どんな新機構の400が出ても、興味はなかった。
 目標はナナハン。必ず限定解除試験に受かって、一気に巻き返しを図ろう、お前ら見てろよとマルチ400に流し目eyeを送っていたのである。
 だから、ナナハンライダーになって中型小僧を卒業したときは嬉しかったなぁ。薄汚れたカルガモchickが、一夜にして白鳥shineになったようなものだ。

東北ツーで寄った浄土ヶ浜。今どうなっているだろうか。

Img001

                                                                  

 そして30年経ち、小僧たちは、誰一人残さずおっさんになった。そのうちの一部は今、リッターバイクに乗る。
 どこかの郊外でも観光地でも、駐車場にバイクが入ってくる。身なりは若い。でもヘルメットを脱いだらオヤジだった、というのは当たり前の光景となった。

 そして一方で、一部のおっさんは、今回あげた400たちをあられもない格好に改造して乗るらしい。違法でない限り改造は自由だが、その姿を見て音を聞くと、バイクがかわいそうになってくるのである。

また長くなってしまった。

続く・・・

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私のバイク遍歴」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
SevenFiftyです。

単に乗ったと言う経験ならいちごさんが記述した中型バイクは全部借りモノで乗りました。
お仕事はバイクとは全く無関係でしたがそれが出来た良い時代でもありました。
懐かしいです。

投稿: SevenFifty | 2011年7月30日 (土) 00時02分

SevenFiftyさん、おばんです。
全部ですか? 全部? 凄!

私はホークとRZしかありません。仕事でなく乗れたというのは、何でしょう、想像つきません。

投稿: いちご | 2011年7月30日 (土) 00時07分

たびたびです。

>何でしょう、想像つきません
>一部のおっさんは・・・
一部のおっさんが若かりし頃はわたしも若かったと言うことです。
なおXL250Sは一部のおっさんとは趣味の異なる方のバイクをお借りました。

投稿: SevenFifty | 2011年7月30日 (土) 11時39分

猪苗代湖の写真は、あそこかな?ってわかるぐらい、
かわってないですね。
浄土ヶ浜も、いけばよかった~って後悔(^-^;
白鳥になったところで、もう一度いってみては?

投稿: おくさん | 2011年7月30日 (土) 22時33分

こんばんわ!

昔は迷うほど乗りたいバイクがありましたよね・・・
今は乗りたいバイクを探すのが結構大変で・・・
結局250になってしまいましたが・・・

いちごさんの遍歴シリーズを見てると・・・
何で若い頃もっとバイクを楽しまなかったんだろうって・・・
つくづく思います。

投稿: ヘボカル | 2011年7月30日 (土) 22時40分

こんばんは。
色が褪せかけてきている写真が素敵です。
写真は褪せても心は褪せていませんねgood

投稿: shingo | 2011年7月30日 (土) 23時08分

こんばんわ!!

同じ頃、私もオートバイに心ときめかせていました。
中3の時に一つ上の先輩がXJ400の新車に乗って来た時は
ひたすら憧れて、ひたすら羨ましかったのを覚えています。
当時は中型のマーケットが大きかったですからね。
メーカーの力の入れようが今より強かったと思います。
CXB400Fは乗ろうと思っていました。
(結局CBR400Fに乗りましたが ^^;)
写真のVF400Fの登場には度肝を抜かれましたね(@。@)
なんたって水冷のV4ですからね!!
あの頃のオートバイを見ると今でも胸がときめきます(⌒▽⌒)

投稿: 230 | 2011年7月30日 (土) 23時45分

こんばんは。
写真を見るだけで、その当時のいろいろな事が思い出されます。バイクの種類、ウェアのスタイル、(後は髪型?)が今と異なるだけではありますが、その情報からよみがえる記憶は数えきれないです。

今日はレンタルDVDで「波の数だけだきしめて」を借りてみましたが、いろいろと当時の思いに浸ってしまいました(汗)。 ちょうど社会人になる前に公開された映画で、その時代の描写がたくさん出てきたもので。。。

投稿: やんべ | 2011年7月31日 (日) 01時08分

 その時代は知らないんですよ・・・目覚めるのが遅かったので。
 名前を聞いたことのある車種は多いですね。ターボとか、ちょっと乗ってみたかったなあと思います。
 最近、250、400クラスに、ちょっと元気が出てきたのは嬉しいですね。

投稿: 剣片喰 | 2011年7月31日 (日) 09時20分

愉しみにしている「私のバイク遍歴」が登場して嬉しい限りです。
以前の分も再度読み直してしまいました。(^-^)/
私はリターンではありませんので、今からが私のバイク遍歴の始まりかもしれませんね。(^^ゞ

投稿: motorbike | 2011年7月31日 (日) 14時47分

同じ時代をバイクに魅せられた者として非常に共感を覚えます

夜な夜な聞こえてくるKH400の排気音
闇を切り裂くような伸びの良い排気音に心をザワつかせ
その音の先に夢を見ていた気がします

400マルチやDOHC、フロントのダブルディスク
その後に続くレーサーレプリカブーム
ナナハンキラーなんて言葉も囁かれだし、ナナハンをカモれるかも?
などと言った儚い夢も見せてくれましたがメーカーや雑誌のキャッチに
まんまとカモられた時代でもありました(笑)

投稿: 湘南ライダー | 2011年7月31日 (日) 20時13分

こんばんは。
80年代は、本当にバイク全盛期でしたよね。
乗りたいバイクも沢山ありましたし、バイクに乗ってきた友達に憧れたものでした。
私は結局中免を取らずに中年になってしまって、その頃乗れなかったうさを今晴らしているような気がします。

投稿: utunosamu | 2011年8月 1日 (月) 20時58分

こんにちは。
この時代、私は小学校だったと思います。
当時、近所にあったバイク屋(今はもう無い)にヤマハのRZV500Rと
FZ750?が展示してあって、よくまたがらせてもらった記憶があります。
いや~、懐かしいです。

ちなみに一枚目の写真のいちごさんは、ロン毛ですか?
モザイクなしで見てみたかったです(笑)

投稿: nozo | 2011年8月 2日 (火) 07時49分

SevenFiftyさん、毎度ありがとうございます。
>一部のおっさんが若かりし頃はわたしも若かったと言うことです。
それは確かにそうですね。私も今はおっさんですが、昔は若かったです。
いろんなバイクに乗れる恵まれた環境にいたわけですね。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時24分

おくさん、こんばんは。

>猪苗代湖の写真は、あそこかな?ってわかるぐらい、
>かわってないですね。
そんなに変わっていないんですか、自分ではどこだか忘れてしまいました(笑)。
浄土ヶ浜、行ってみたいですね。若い頃は白鳥でしたが、今は羽根は抜け折れてしまい、ボロボロです(爆)。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時26分

ヘボカルさん、おばんです。
昔はたくさんありましたね。旧車が人気ある一つの理由だと思います。

>何で若い頃もっとバイクを楽しまなかったんだろうって・・・
若いときのバイクはいいものでした。でも、今楽しめていればそれもいいですよね。
もっと、今の若い人たちに乗ってもらいたいと思います。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時28分

shingoさん、おばんです。

>色が褪せかけてきている写真が素敵です。
これ、何でしょうね。昔は普通の色だったのに、左側だけ色が変わってしまいました。

>写真は褪せても心は褪せていませんね
ええ! 高○さも変わっていません(爆)。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時29分

230さん、おばんです。

>XJ400の新車に乗って来た時は
>ひたすら憧れて、ひたすら羨ましかったのを覚えています。
あの頃の4気筒はまぶしかったですね! 皆、得意顔で乗ってました。

>結局CBR400Fに乗りましたが ^^;
これは初めて聞きました。REVのついたやつですよね。
VF400F、VF750Fは斬新でしたね。でも排気音がボボボ・・・なのが今一でした(笑)。
80年代、バイクも世の中も景気もおねーちゃんも勢いがありましたね(爆)。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時33分

やんべさん、おばんです。
>バイクの種類、ウェアのスタイル、(後は髪型?)
確かにそうですね。この頃なぞ、夏はトレーナーだけでバイク乗ってましたから。長袖ならいいだろうと(笑)。

>「波の数だけだきしめて」を借りてみましたが、いろいろと当時の思いに浸ってしまいました(汗)。 
ありましたね。「私をスキーに連れてって」とか。
どんな思い出なのか、今度お聞きしましょう(爆)。文意からすると、甘くせつない思い出のようですね(爆2)。
やはり、酒飲みながらかな・・・。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時36分

剣片喰さん、おばんです。
>その時代は知らないんですよ・・・目覚めるのが遅かったので。
そうですか、でもあちこちの情報で知ってますよね。いろんなことに勢いのある時代でした。未来はもっとよくなると誰もが思っていました。

>ターボとか、ちょっと乗ってみたかったなあと思います。
結局ターボは、排気量のわりに馬力がありすぎるので、認可が下りなかったんですね。でもバイクの性格にターボは合わなかったようです。

>最近、250、400クラスに、ちょっと元気が出てきたのは嬉しいですね
そうですね。若い人にはこのクラスに乗って経験を積んでほしいです。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時39分

湘南ライダーさん、おばんです。

>夜な夜な聞こえてくるKH400の排気音
>闇を切り裂くような伸びの良い排気音に心をザワつかせ
>その音の先に夢を見ていた気がします
何と!あの頃の若造の心をうまく表現した文でしょうか! 確かに、原付しか乗れなかった時分、2ストでも4ストでも、マルチの音に耳を傾けたものでした。俺もいつか乗るぞってね(笑)。

>メーカーや雑誌のキャッチにまんまとカモられた時代でもありました(
これも、逆説的ですがその通りだと思います。メーカーも購買者も一体となって皆エキサイトしていました。
懐かしい・・・。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時44分

utunosamuさん、おばんです。
80年代は、バイク全盛期でしたね。ちょうどその頃に中型から大型を乗ったわけですから、とてもいい時代を経験しました。

>結局中免を取らずに中年になってしまって
過ぎてしまえば皆同じです(笑)。まぁそれほど極端ではありませんが、今どうであるかが大事ですよね。
若い頃は速さとかバンク角ばかりこだわっていましたが、今の私は、それもありますが(笑)ツーに行く過程を楽しみ、行った先の景色や味を楽しみ、ブログ仲間と会話を楽しみ・・・
とにかくバイクっていいですね(爆)。

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時49分

nozoさん、おばんです。
>この時代、私は小学校だったと思います。
そうかぁ、nozoさんとの年齢差は、実はそういう差でもあるわけですね(笑)。

>RZV500R
今では考えられないバイクですね。
>FZ750
5バルブのGENESISエンジンですね。今見ると頭デッカチでタイヤが細いですが、いいバイクです。

>ちなみに一枚目の写真のいちごさんは、ロン毛ですか?
ロン毛まではいきませんが、今よりは長いです(笑)。たくさん量があって、時分で切ることもありました。
今は、この頃の1/3ぐらいしかありません(爆)。


モザイクなしで見てみたかったです(

投稿: いちご | 2011年8月 2日 (火) 22時52分

motorbikeさん、コメントが表示されずにすみません。
原因がよく分からないんですよね。
IPアドレスが引っかかっているのか・・・。
また、楽しみにしていてくださるとのこと、ありがとうございます。

>今からが私のバイク遍歴の始まりかもしれませんね。
どうぞ、いろんな遍歴を積んでいって下さいませ。

投稿: いちご | 2011年8月 7日 (日) 11時48分

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