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2013年9月15日 (日)

2冊の「零式戦闘機」

吉村昭著、「零式戦闘機」bookを読み終えました。

史実に基づく膨大な資料によって記述された氏の小説bookは、どの作品もまことに読み応えがあります。なんでこんないい作家を知らなかったかbearingと思い、最近は氏の小説ばかり読んでいまして、これで9冊目です。

「戦艦武蔵」と同様、この小説の主人公は、人ではなくモノです。それも戦争にかかわった。

 

一方、20代後半には、柳田邦男著の「零式戦闘機」も読んでいます。それを引っ張り出して、ダイジェストで読んでみました。

Img_0414

 

 

柳田氏のbookは、九六式艦戦あたりまでの記述が長く、零式(れいしき)戦闘機について始まるのは後半からです。しかし「主翼の捻り下げ」など、テクニカルの詳細まで書かれている部分もあります。
最後は、堀越技師がラジオで開戦のニュースを聞くところで終わります。

 

また吉村氏のbookは、各務原(かかみがはら)飛行場まで、零戦を牛車で運ぶところから始まり、終戦間際に太平洋に散っていった神風特攻隊の悲劇まで、全てが書かれています。
最後は、戦争が終わって、牛に代わって飛行機を運んだ馬    栄養失調でとても痩せ細った    が、工場の門から出て行くところで終わります。

 

「大事にしてやってくれ」
馬が、組の者にひかれて焼けくずれた工場の門を出てゆく。

・・・中略・・・

風が走って、あたりには焼けトタンの鳴る音だけがあった。

 

 

読み終えたあと、何とも形容できない虚無感を覚えます。
終結間際まで、戦局が圧倒的に不利な情況にあることを、国民はまるで知らされていなかったことにも。ひょっとしたら今の日本も同じ?

さて次も吉村昭著book前野良沢を描いた「冬の鷹」に取りかかります。

 

なお、「神風特攻隊」は、「かみかぜ」でなく、正しくは「しんぷう」または「じんぷう」と読みます。これは戦争文学の第一人者大岡昇平の大作「レイテ戦記」bookにも書かれています。

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文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

こんにちは
私は、ついふた月程前、百田尚樹氏の「永遠の0」を読みました。
戦争ものは好きではないんですが、これは大変感動しました。
戦争と言う特殊な状況の中で、人は人をどうm思いやることができるのか?
ご紹介の作品とは全く違う視点で書かれたものですが戦争の哀しさが
よくわかるものでした。
蛇足ですが…うちの祖父は戦時中、中島飛行機にいたそうです。

投稿: Papa | 2013年9月16日 (月) 08時31分

こんにちは。
SevenFiftyです。

わたしが最近読んだのは柳田國男の「遠野物語」です。
最近撮った写真は中島飛行機の半田工場の駐機場の痕跡です。(URLをみてね)
ゼロ戦って三菱よりライセンス生産した中島の方が生産が多いそうです。(半田工場ではゼロ戦は生産していないはずです)

ちなみに柳田邦男と柳田國男が別人であることは10年ほど前に知りました。

投稿: SevenFifty | 2013年9月16日 (月) 16時04分

>Papaさん
コメントありがとうございます。
>百田尚樹氏の「永遠の0」
最近のベストセラーですね。今度機会があったら読んでみようと思ってます。
私も戦争ものを好むわけではないんですが、極限状態の人間から何か学ぶものがあると思って読んでます。

>うちの祖父は戦時中、中島飛行機にいたそうです
凄いですね。この小説にも中島飛行機はたくさん出てきますよ。

投稿: いちご | 2013年9月16日 (月) 22時32分

>SevenFiftyさん
コメントありがとうございます。

>柳田國男の「遠野物語」です。
文語が難しくて、私はダイジェストでしか読んでいません。遠野地方の物語ですよね。

>半田工場の駐機場の痕跡です。(URLをみてね)
ありがとうございます。拝見しました。
広い土地のようですが、今は右に見える田んぼと・・・、左奥には何かあるのでしょうか。

>ゼロ戦って三菱よりライセンス生産した中島の方が生産が多いそうです。(半田工場ではゼロ戦は生産していないはずです)
これは吉村昭の本に書かれていました。戦局が緊迫するにつれ、海軍から三菱には改造やら補強やら目まぐるしく要求が来て、三菱はそれに対する部材調達、工程変更、強度計算・・・これら対応に精一杯で製造が遅れがちになった。しかし中島ではライセンス契約したとおりに作っていたので、三菱より多く作った・・・と。

>柳田邦男と柳田國男が別人であることは10年ほど前に知りました。
ややこしいですが、生きた時代も著作対象もかなり違いますね(汗)。

投稿: いちご | 2013年9月16日 (月) 22時40分

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