世の中には発音したくない言葉がある

先日Facebookで、我が家の猫の名前を尋ねられました。そう、今まで猫の名前をFacebookでもブログでも書いたことがありません。

実は「ジャム」と言うのです。

7年前、ヨメが実家から０円でもらってきたその日
「シャムの雑種ぽいから、『ジャム』がいいわよね」
とヨメは名づけたのでした。

がどういうわけか、愚息2人もオヤジも、最初からその名前で呼びたいと思わなかったのであります・・・。理由は分からねど、今まで書くのも憚られました。　

便宜上、我々3人は「ミーコ」と呼ぶことにしました（爆）。ええ、もうすっかりオスのミーコはその名前に慣れており、「ミーコ」と言うと、家じゅうどこにいても飛んでくるのです。え　エサが欲しいだけだってか　

ともあれ、Facebookで猫の呼び方をカミングアウトしてから、何故「ジャム」と呼びたくないのかを考えました。
結果、明らかになった理由はこうです。

「世の中には、発音したくない言葉がある」

そうです。人間の男がオス猫に向かって『ジャム』とは言いにくいのであります。同じようなことを考える人はいるもので、よく見る某人生相談サイトでは

「なぜか恥ずかしくなる言葉」

なるトピがあって、ちょっとばかり盛り上がっていたりして、オヤジは「なるほどなるほど」と読んでいたのですが、これもその範疇に入るのかもしれません。
ちなみにそのサイトでは、「シャワーを浴びる」とか「パン○ィー」などが代表格として挙げられておりました（笑）。
そういう観点で私が決して言いたくない言葉は、昔ある親戚がよく言っていた「億ション」であって、何も「マンション」と言えばいいものを、ことさらに高額と高級感を気取ったこの言葉を聞くと寒気がします。バブル崩壊とともに死語に近くなり、ホッとしています。

となると、私の大好きな石原さとみが出ているドラマ「失恋ショコラティ○」なんて、絶対に発音できそうにありません。ドラマについて誰かと話そうと思ったら、困ったことになってしまいます。ってそんな機会ないけどね。でも今日はショッキングなシーンが・・・。

話は戻って、家の中で「ミーコ」と呼んでいる分には、弊害は全くありません。

が以前、何かの治療で動物病院に行ったとき、こんなことがありました。

「いちごさん、治療は無事終わりました。ではお薬を出しますので、猫のお名前を」
「はい、名前はミーコです」
「え　オスなのにミーコですか」

と、助手とおぼしき身長157cmぐらいの30代の女性は、口を半開きにして、ボクサーが構える格好のように二の腕を「ハ」の字にして、両手はもちろんグーで口元へ寄せ
（そんなの、ありえなぁ～い）
という目をして、私を見上げ2秒ぐら固まっていたのでありました。

すかさず

（どんな名前つけようと、俺の勝手だろうが）
と思いましたが

「あぁぁ、本当はジャムです。ジャムにしてください」
とクールに言うと

「え　名前が2つあるんですか」
と言うも私は再度無視し、でもそこまでは良かったものの、帰り際に渡された薬袋を見ると

「□□ジャム様」　　　□□は私の苗字

とあったのです（爆）。

（出生届も出していないし、戸籍にも入っていないんだから、苗字なんていらねぇよ）

　

と突っ込みを入れたくなりましたが、それも大人気ないと思い、私は小さい猫バスケットから6kgののどこかがはみ出るほどぎゅうぎゅうに押し込んで片手に下げ、静かに病院をあとにしたのでありました。

真冬の夜、6kgが掛け布団のど真ん中で寝ていて、布団がぺしゃんこになってオヤジは何度も寒さで目が醒めますが、そういう時は有無を言わさず両手両足持って胸元に引きずり込むのです。
これがまた温かいのよね。　冬の一番の楽しみです。

というわけで、これからも「ミーコ」の呼び名は続きます。カミングアウトしてすっきりしたなぁ（爆）。

以上で朗読を終わります。ご静聴ありがとうございました。

　　　　　　　　　　（写真の一部は既出です）