電気毛布の楽しみ
私が電気毛布を使うようになったのは、富山に来てからである。それまで、電気毛布などというものは頭から馬鹿にしていた。特に20代の頃など、ご高齢の方が「電気毛布がないと眠れない」などと言うのを聞いて、私は内心鼻で笑い、自分には完全に無縁の世界だと思っていた。そんなものがなくても、どんなに寒くても、ぐっすり眠れたからである。
しかし、富山の冬は寒いのである。特に雪がひとしきり降って止み、晴れた夜などは放射冷却で殊の外寒い。古い造りの社宅では、室内でも吐く息が白く見えるほどである。朝起きたときのファンヒーターの温度計は6℃や7℃である。とにかく寒いのである。
(まぁ私が育った、日当たりの悪い実家では、何度も0℃というのを見た、それでも風邪すらひかなかった)
数年前、ある健康的な不安から電気毛布を買った。その頃起ち居していたのは新しい独身寮であったが、全身を程良く温めてくれる電気毛布は、心地よかった。
写真はイメージです
そして今から2年前、ヨメが富山に来たと同時に社宅に引っ越しした。しかしこの建物が築40年ぐらいで、実に寒いのである。地面の湿気がまともに上がってきて、押し入れのベニヤ板は反り返って粉々、風呂の壁はカビだらけ、自宅から持ってきた革製のソファもカビだらけという有り様である。社宅で過ごす冬は湿っぽくて寒いのである。決して私が齢をとったためではない。
しかし、そんな冬にも一つの楽しみがあるのだ。それは、電気毛布である。
夜、寝しなにあらかじめ電気毛布を布団に挟んで温めておき、その封筒のような隙間へ入るとき。
さらには、寒い休日の朝トイレに起きたあと、背中を丸めて部屋に戻り、タイマーで切れている電気毛布のスイッチを再度ONにしてぬくぬくと温まりながら眠りに落ちるとき。
これは、生きていて感じる幸せのうちの、最上の1つである!
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コメント
いちごさんもやっぱり歳をとったのでしょうね。
確かに寮の関係もあるとは思いますがね。
幸いかな私はまだ電気毛布のお世話にはなってません。
ただ北陸の冬は湿気が多く寒い、これは間違いないです。
関東のからっからの冬とは違い湿気が寒さを助長します。
この湿気いっぱいの冬ももうしばらくの辛抱ですかね。
投稿: かき | 2021年2月12日 (金) 08時55分
最近似たようものでホ-ムセンターで激安の電熱ジャケットを
手にいれました。今では「北風吹きぬく寒い朝もスイッチひとつで
暖かくなる~♪」という訳で寒い朝も無敵です(笑)
投稿: にいにい | 2021年2月12日 (金) 20時09分
>かきさん
かきさんのほうが若そうですね。
それとも私は淋しくひとり寝だからか。^^;
湿気があると寒く感じますね。でも関東のキンキンに冷えて北風の吹く朝も寒いです。
あともう少しで春ですね。
投稿: いちご | 2021年2月13日 (土) 18時00分
>にいにいさん
電熱ジャケットですか、私も富山に来てから買いました。
なかなかの優れモノですよね。
しかし雪が降るので冬のバイクには使えないでいます。
投稿: いちご | 2021年2月13日 (土) 18時02分
いやあ、私も、某ドン・キホーテで2000円弱の電気毛布を購入して以来、冬場は、ずっと愛用しています。
ぬくぬくの暖かさ。もう半世紀も前の、愛猫の「みつ」を抱えて寝ていた時代をほうふつとさせてくれる暖かさです。当時のみつも、夜中にふすまの外で、ニャーゴニャーゴと鳴いていましたよ。夜中に鳴き声で目覚めてふすまを開けると、みつが布団に入ってきて、すぐにゴロゴロ音を出して寝てしまうのでした。かわいいのと、暖かいのとで、冬場はみつを抱いて寝るが好きでした。今でも、寝るときに「みつ、はよう来い。よしよし。」と居もしないみつを抱えて撫でてやりながら眠りにつくのです。なめらかなみつの背中の毛皮の上を撫でながら、半世紀前の思い出との自慰行為に思いを寄せて寝ている私は、やはり、歳をとったのでしょう。みつとの別れは、半世紀前ですが、来世でのみつとの再会は、おそらくもう二十年以内に実現できる夢でしょう。また、みつの身体を撫でながら二人でおしゃべりしながら寝る時代が来るのでしょうが、何やら待ち遠しいなあ。大好きでしたよ。三毛猫のみつ。
投稿: 猫の顔 | 2021年2月24日 (水) 23時31分
>猫の顔さん
おや、ここにも愛用者が。やはり私と同じ、冬の独り寝には電気毛布ですかね。
それより、猫と寝るのはいいものです。温かい、ふわふわの生き物がゴロゴロ言いながら目を閉じているのはいいものです。
私も20年以内に、虹の橋のたもとにいる愛猫に会えるでしょう。また、あの手触りを楽しみながら眠りにつきたいものです。
投稿: いちご | 2021年2月26日 (金) 18時59分