電気毛布の楽しみ
私が電気毛布を使うようになったのは、富山に来てからである。それまで、電気毛布などというものは頭から馬鹿にしていた。特に20代の頃など、ご高齢の方が「電気毛布がないと眠れない」などと言うのを聞いて、私は内心鼻で笑い、自分には完全に無縁の世界だと思っていた。そんなものがなくても、どんなに寒くても、ぐっすり眠れたからである。
しかし、富山の冬は寒いのである。特に雪がひとしきり降って止み、晴れた夜などは放射冷却で殊の外寒い。古い造りの社宅では、室内でも吐く息が白く見えるほどである。朝起きたときのファンヒーターの温度計は6℃や7℃である。とにかく寒いのである。
(まぁ私が育った、日当たりの悪い実家では、何度も0℃というのを見た、それでも風邪すらひかなかった)
数年前、ある健康的な不安から電気毛布を買った。その頃起ち居していたのは新しい独身寮であったが、全身を程良く温めてくれる電気毛布は、心地よかった。
写真はイメージです
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